細かなことが気になる親父の備忘録

インスタントラーメン袋と日常で気になった細かなことを書き留めていきます。

郵便番号の住所は、必ずしも正しい住所ではなかった話

年賀状のこの時期、年賀状ソフトで住所管理をされている方は多いのではないだろうか。郵便番号を入力すれば住所が表示されるようになっている。あとは番地を打ち込むだけだ。
荷物を送る際の宅配業者の伝票も、最近は郵便番号を記入する様式になっている等、色々な場面で郵便番号が活用されている。

ところが、その郵便番号検索で出てくる住所が必ずしも正しい住所ではないことを初めて知ったので、少し調べてみた。

[実際の例]
今回気づかされることになったのは、新潟県十日町市の例だ。

〒948-0045 で検索すると「麻畑」、でも正しい住所は「丙」
〒948-0102 で検索すると 「山谷」、でも正しい住所は「乙」     

年賀状ソフトで、正しく丙○○番地として入れると郵便番号と一致しませんとご丁寧にも警告がでる。

では、「麻畑」と「丙」は違う場所かというと、同じ地域を指していて、ま、どちらでも郵便物は届くには届くという。なんとも紛らわしいというかいい加減な感じさえする。

Yahooの地図検索をした結果がこれ。
地図上には「麻畑」の地名はなく「丙」。麻畑は公民館の名だ。

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[住所表示の仕方]
そこで改めて住所とは何だろうと調べてみた。

住所は従来、「○○市○○町○○番地○○」というような町名と土地の地番で表していた。この時点では地番と住所は一致していたので、「地番=住所」と考えてもよかったのだ。

ところが、地番は法務局が定める土地につけられた番号なので、土地の分筆等により飛び番や欠番になったりしてきた。特に土地の売買が盛んな都市部では恐らくぐちゃぐちゃになってきて、不便になってきたと想像するに難くない。

そこで、この不便を解消するため、昭和37年5月に住所をわかりやすくするための法律「住居表示に関する法律」が施行され、これに基づいて全国的に新しい住居表示が実施されるようになった。

住居表示が実施されると、一定の法則に従ってつけられた建物の場所を表す番号「○○市○○町(○丁目)○番○号」が新しい住所となり、この時点で「地番=住所」ではなくなった。

しかし、当地もそうだが、多くの田舎ではまだ住居表示が実施されていない。その地域(住居表示未実施地区)は、地番が住所として使われているのだ。

 

[改めて先の地域を検証する]

先の「麻畑」は、いわゆる町内名・集落名にあたるもので、式には「行政区」と呼ばれる名称。
そして「丙」は、法務局が定めた土地地番に付された「符号」の一種で、十日町市では「丙」を正式住所としている。

この季節、郵便局にもどちらが正しいのかとの問い合わせも多いという。住所=土地地番=町内名(行政区)となれば分かりやすいのだろうが、行政も山間地に住居表示を導入するまでの手間暇はかけられず郵便局も住居表示区域外は地番で表示するという手間はかけるつもりもないと思われる。

細かなことが気になる親父としては、例えばとして、丙(麻畑)というような併記をしたらどうかと、日本郵便のお客様サービス相談センターに提案してみた。1週間経っての返信は、何もしないとほぼ同じ意味でよく使われる「お客様からのお声として、関係部署へ申し伝えさせていただきます」だった。

そもそも郵便番号は最初は3桁・5桁で始まり、郵便局の配達の利便性を目的にしているのだから正しい必要もないのだろう。
郵便局に期待するのは無理かも知れない。

調べていたら、ここ信州の須坂市では結構深刻な事象のようで、市のホームページにも掲載していた。そして、「お困りの声もたくさん寄せられておりますので郵便事業㈱様へもお伝えをさせていただいております。」と言葉を結んでいる。
やはり郵便局さんに何とかして欲しいというのが切実な所だ。

www.city.suzaka.nagano.jp

[住所の話おまけ]
北海道網走市字三眺 は、網走刑務所の住所である。
たぶん正確に記すと、北海道網走市字三眺無番地と思われる。

そう、番地がないのだ。無番地 → 番外地 
あの有名な網走番外地は、どうもここからきているようである。

地番・住所・住居表示・郵便番号・・・
調べ始めると次から次に疑問が沸いてきてしまうテーマだった。
消化不良ではあるものの、この辺で終わりとしたい。
アー・・どうも細かなことが気になる親父である。  

                 2019.12.25 記